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【写真家】 田村 清則(たむら きよのり)


今回は東近江市八日市東浜町(旧八日市市)にお住いの、写真家 田村清則さんをご紹介します。

大手電機メーカーにご勤務されていた田村さんは、労働組合の役員となったことから機関誌を発刊することとなりました。「30年以上前ですね。その時から写真を撮り始めて、現像代に毎月3万円位使ってましたよ」と笑われます。

10年間発行され続けた機関紙では紙面にも苦労されたそうですが、新婚さんを紹介する「Happy Couple」を企画してハマってしまい、プライベートで新婚さんの写真を撮る企画で30組以上のカップルの写真を撮り、新婚旅行帰りにアルバムをプレゼントされていたそうです。そのせいか今でも人を撮るのは面白いと言われますが、被写体として撮る機会が余り無いようです。最近のテーマは特になく、見たモノ好きなモノを撮られているとか。風景や花火やブルーインパルスが好きで、どこへ行く時もお気に入りの撮影機材を入れた、カメラマンバックを片時も離されません。

思い出深い撮影をお尋ねすると、50年近く歴史のある宮島水中花火大会だそうで「海上に投込まれた花火が開くたびに、朱色の大鳥居や社殿のシルエットが、幽玄な光彩に照らされて浮かび上がるんです。当時、解放されていた能舞台から撮る花火は格別でしたね」と話されます。今でも毎年、各地全国の花火大会を訪れ、心ひかれる撮影のベストポジションを探し続けておられます。お嬢さんに付合った事がきっかけになり、すっかり魅入られたブルーインパルスですが、時間を見つけては入間基地(埼玉県)や小松基地(石川県)へと通っておられます。ブルーインパルスの撮影は早さとの勝負。いかに魅力的なアングルでシャッターを押すかにかかっています。今年3/20にブルーインパルスの本拠地の松島基地(宮城県)で行われた、東京2020オリンピック聖火リレー聖火到着式に、田村さんは訪れる予定でした。前日が東京出張だったからです。「56年ぶりにオリンピックシンボルを描くブルーインパルスの勇姿をこの目で見て、ファインダーに収めたいとはやる気持ちで一杯でしたが…、コロナの事を考えて断念したんですよ」と悔しそうに話されました。5色のカラースモークで東北の空を彩った姿、見上げていた人々は拍手、大空で展開する一糸乱れぬフォーメーション、体感したかったでしょうね。残念!!!

撮影した写真をインスタグラムやフェイスブックで投稿される度に、フォロアーになってくれることにビックリされつつも「撮影ポイントをインスタグラムの親しい友達に教えてもらったり、撮影現場で隣り合わせになった人のフォロアーになったり、フォロアーのすごい写真に新しい刺激を受けたりと、今までにない楽しみ方をSNSでしています」としっかり交流されています。またフィルムの頃には撮れなかった写真が、デジタルになったことで撮れる様になったりとか、SNSに投稿された写真がどこで撮られたかが解るとか、新たな写真の楽しみも満喫されています。まだまだ撮りたいモノは一杯あるそうですが「桜です。吉野山の桜を撮りたいですね」と話されます。

今後の参考のために、写真の上手い撮り方をお尋ねすると「まずは撮りたいポイントを決めること。それが人物なら、顔や視線の向きを上手く使って表情を活かす。風景なら縦のアングルを使って、迫って来る様な力を作る。ですかね」と教えて下さいました。今後益々のご活躍をお祈り致します。